*2011年3月11日に発生した東日本大震災を、市民の立場から記録し、伝え、新たな縁を結び合うためのウェブサイトです。
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2012年01月18日

シホ家の自主避難日記(13)

自主避難日記 14 〜秋田の豪雪に負けて郡山で越冬〜

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個人積算線量計の結果は想像以上に高い数値。この結果を見て、新たに避難を考える家族もいるのでは

◆個人線量計の結果は年1ミリシーベルト超
 年末年始は夫が中国から帰国し、秋田で家族一緒に過ごすことができました。今季の秋田は例年を越える豪雪っぷりで、休みの間は2度ほど山の近くをスノーシューで散策。真っ白な銀世界を背景にお湯を沸かし、熱々のカップラーメンをすすりました。
 そんな冬のアウトドアを愛する私でも、日常生活の雪にはホトホト参りました。かいてもかいても降り積もる雪にはザルで水をすくうような感覚を覚え…、雪が固まってボコボコになった道路を運転すれば洗濯板の上を走っているような錯覚に陥り…。ついに心が折れた私は義理の父母に「雪解けと共に帰ってきます」と告げ、子供とふたりで秋田を後にしました。と言うのは冗談で(半分本気)、個人積算線量計の回収日に合わせて郡山に一時帰宅です。また、夫が中国の春節時期には日本に戻ってくるため、秋田に帰るのは2月の頭を予定しています。本音を言えば本当に雪解けまで福島に居たいのですが、第一回の線量計の結果通知を見たら、そんな悠長なことは言っていられないと思いました。
 11月1日〜30日までの30日間で、子供の被ばく量は0.11ミリシーベルト。1年に換算すると1.21ミリシーベルトになるそうです。結果については「健康に影響を与えるような数値ではない」とのことですが、爆発直後の被ばくや内部被ばくなどは加味されていないことを考えると「意外に高い」という印象です。11月は郡山に半月ほど滞在していて外出時にも携帯、残りの日数は郡山の自宅に置いておきました。第二回の線量計の測定時は子供をほぼ秋田に滞在させましたので、郡山の自宅内での被ばく量となる予定です。現在は第三回の線量計を持っていますが、今回は秋田に持ち帰って測定したいと思います。

◆内部被ばく調査のキットが到着
 また今月は、同位体研究所という機関に申し込みをしていた子供の尿検査キットが届きました。インターネットの掲示板に、「子供の内部被ばく量を無償で検査してくれる」と言う書き込みをみて、昨年の秋に申し込んでいたものです。6000件以上の応募があったようで、気長に待っていましたがようやく到着しました。
 検査方法を簡単に説明すると、薄い布状のシートに子供の尿を採取、乾燥というのを何度か繰り返し、尿を凝縮させたシートを研究所に返信。測定が完了後、結果が通知されるという仕組みです。うちは子はまだオムツなので、オムツに挟んで尿を吸収させますが、乾燥させる際にはなんと…フライパンで加熱!! 直にではなくアルミ箔を敷いてからシートは乗せますが、まさか自分の子供の尿をフライパンで炒る日がやってくるとは。なかなかできない経験です。
 この検査で体内に蓄積されている放射性物質がどの程度わかるものなのでしょうか? 無償と聞いて我先にと応募しましたが、きちんと確認もせずに申し込みをしてしまったのは良くなかったなぁと反省しています。今後、私のように子供の被ばくを心配する親に対して、詐欺まがいのことが起きなければいいのですが。考えすぎでしょうか。
 とにかく今回が初の内部被ばく調査となります。今週末、夫と一緒に検査してみたいと思います。

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同位体研究所から送られてきた尿検査キット。県内の病院でも無償で調査ができればいいのに…
posted by 0311 at 18:23| シホ家の自主避難日記

2011年12月20日

シホ家の自主避難日記(12)

自主避難日記 13 〜本格的な季節に入り四苦八苦〜

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毎朝、窓を開けるとこんな光景が広がります。一日が車の雪下ろしからスタート

◆いよいよ雪のシーズン到来
 12月上旬から中旬は子供を秋田にある夫の実家に預けて、私は東北・新潟を取材。12月16日にようやく、秋田の自主避難先へ戻りました。出歩く仕事も一段落したので、このまま年末年始は秋田で過ごす予定です。
 さて久々に戻った秋田は、もうすっかり冬景色!タクシーの車窓からツルッツルの路面を具合悪そうに見つめていたら、「こんなの秋田では普通!まだいい方だよ」と運転手さんから言われる次第。圧雪されてピカピカに光る道路の上を、タイヤが空回りしながら発進する様子は、見ているだけで冷や冷やです。
 福島や宮城であれば、こんな状態はひと冬に数週間ぐらいではないでしょうか。あちらなら雪が降っても昼には解けてしまいますが、秋田は解けるということを知りません…。交通量の多い道ではアスファルトが顔を出しても、脇道に入れば雪道。自宅の駐車場なんて車から下ろした雪が脇に積もり、車の扉が開けられなくなりそうです。集合住宅のため基本的に雪かきは大家さんの仕事だと思いますが、自分でも多少は除雪する必要がありそう。次に福島に帰ったら、雪かき兼用として購入していたショベルを秋田に持ってこなくては。
 夫の実家で聞いた話ですが、地元の人にとっても雪の問題はかなり頭を悩ませているようです。例えば自宅の屋根から落ちた雪が、お隣の庭に落ちようものなら一大事。家を建てる段階から、屋根の雪の行方を考えて設計をするとか。道路の除雪範囲もどこからどこが自分の管轄なのか、牽制しあっているとか。
 太平洋育ちの私には、なかなかカルチャーショックな秋田の冬です。毎朝、車の雪を下ろすために出発時間はゆとりを持つこと。せっかく下ろしても、翌朝になればまた雪がなぜか積もっていること。毎朝、真っ白になっている車を見るたび、ザルで水をすくっている気分になります。それを夫に話しても「そんなに大変?」と言いますから、育った環境は大きい。本格的な降雪シーズンを前に、ちょっと憂鬱な日々を送っています。
 ただし真っ白な雪におおわれた世界は、とても美しいですね。月の光に照らされた夜は明るく幻想的。子供にはソリを与え、秋田ならではの遊びをさせています。これらは雪国の特権。もしかすると雪かきも運動不足になりがちな冬場の「いい運動」なのかも?と、自分自身を言い聞かせずには暮らせません。

◆親子でクリスマス会に参加
 さて12月18日には、うつくしま県人会のクリスマス会に参加しました。総勢100人弱の参加があったようで、大人も子供も笑顔にあふれたひとときでした。歌やバルーンアート、ろうそく作りなどのイベントから、ランチやケーキなどの食事まで、楽しかった時間はいろんな方が手を差し伸べてくれたおかげ。自主避難を始めてから数え切れないほどの支援をいただいていますが、自分はどうやったらお返しやお礼ができるのでしょうか。
 また最後にお知らせのひとつとして、「ガレキの受け入れを反対する秋田の母親グループが署名を集めている」とアナウンスがありました。正直、私の中では答えが見つかっていないため、今回は署名を控えました。石巻出身者としてまた福島に住所を置く者としては復興のために協力してもらいたいと思いながらも、秋田に仮暮らしさせていただいている身としては、こちらに住む母親たちの不安もわかります。秋田県では基準値を超えたものは返却しているようですから、検査体制も万全だと信じたいですね。

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クリスマス会で子供と一緒に作ったパンダのロウソク(写真右)
posted by 0311 at 18:13| シホ家の自主避難日記

2011年11月30日

シホ家の自主避難日記(11)

自主避難日記 12 〜秋田の避難者支援に感謝感激〜

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JAから贈られた支援米。秋田の新しい品種「ゆめおばこ」は、さめても硬くなりにくいとか

◆計8万円の給付金をもらえることに!
 11月の中旬に郡山から秋田に戻ったところ、素敵なお知らせがいろいろ届いていました!
 1つ目が、秋田県受入被災者給付金。秋田県内の借上住宅または、県営住宅に避難中の世帯に給付金を配布するとのこと。単身世帯は4万円、複数世帯では7万円。財源は秋田県民と県職員からの寄付金です。
 2つ目が、NHK歳末たすけあい運動による暖房器具の助成。希望世帯には、ストーブやコタツなど暖房器具の配布、または1万円の購入費を送金していただけるとのこと。こちらも秋田県民の募金が財源。「自主避難でも、もらっていいのか…」と後ろめたさを感じていましたが、県職員の方から「まだ申請されてませんよね?」と電話をいただいたので、ありがたく活用させてもらうことにしました。秋田への避難で、我が家ではストーブ2台とコタツ一式を新規購入。この給付金がそのまま、暖房器具の購入費へと充てることができました!震災での金銭的な支援は、今回が初です。本当に秋田県民のみなさまには感謝。ありがとうございます。
 そのほか映画や舞台、落語の招待、雪道走行の教習など、いろんな企業や団体から案内が届きます。子供がいて仕事をしているとなかなか参加はできませんが、こうして気にかけてくれる気持ちが嬉しいですね。
 また数日後には、玄関先に米袋が2つ置かれていました。JAからの支援米とのことで、新米を10キロも!あきたこまちではなく、新銘柄の「ゆめおばこ」。しかし家には備蓄してある古米がまだまだあり、これに手を付けられるのはいつになることやら。せっかくなので新米が新米のうちに、いただこうと思いますが。
 福島の一部のお米から基準値超えのセシウムが検出されましたが、私としては「やっぱり」という気持ちが強いです。すべての農家を検査するのは難しいとのことですが、そうまでしないととても福島のお米を買う気にはなれません。それでも学校給食では地元のお米が使われていて、母としては悩ましいところです。子供は郡山の保育園で月5日間位は給食を食べていますが、もし子供が小・中学生だったら…。お弁当を持たせるのか、県外に転校したのか、どの選択をしたのでしょう?
 さらに今回の秋田滞在中には、秋田県の避難者支援相談員の方が家を訪れてくれました。県職員の方と、避難者の中から雇用された職員の方と計2名。阪神淡路大震災時に被災者が避難所で孤立した経緯から、巡回しているとのこと。15分程度でしたが、日々の困りごとなどをヒアリングして帰っていきました。「また来ますね」と言っていましたが、1軒ずつ個別にまわるのは相当大変ですよね。今後は、被災者が交流できるようなサロンを作る予定もあるようです。

◆放射能の不安は尽きない模様
 郡山に帰ってきてから、縁あって自然療法のサークルに参加しました。私自身、何か病気をしている訳でもなく、有機野菜・国産野菜を崇拝している訳でもなく、なんとなく「レトルトよりは手作りが安心よね」レベルの主婦です。中には、自分や家族が大病を患っていて食事や自然の力で健康を取り戻したいとか、薬に頼らない治療をしたいといった方もいます。通常は料理教室がメインとのことですが、今回は茹でたコンニャクで体を温める「お手当て」と言う健康法を習いました。
 コンニャク健康法も興味深かったのですが、何よりも講師の先生の言葉が心に響きました。「先を考えて不安になっても仕方がない。とにかく今を生きなさい」。放射性物質に対してどんどん鈍感になってきている自分がいる一方で、この言葉に胸を打たれた自分もいるということは、まだまだ不安を抱えているのだなぁと気づかされた出来事でした。

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避難者支援相談員の訪問のおたより。訪問日時はこちらから電話をしてすり合わせをします
posted by 0311 at 18:43| シホ家の自主避難日記

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